無名夜行
『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得るといわれる並行世界。
未知の領域を探査すべく選ばれたのは、刑の執行を待つ死刑囚Xであった。
目に見えない命綱だけを頼りに『異界』に飛び込んでいくXと、彼を観察する「私」の実験と対話の日々を綴る連作短編集。
- それは闇のように
- 灯火の行列
- 降り、来たるもの
- 名探偵
- 閉じた扉と嵐のような
- 上昇と落下
- 夕焼けに待つ
- 反射する回廊
- 月下のヒーロー
- 王様の言うとおり
- 影絵と魔女
- 花魁道中夢景色
- その手で掴む
- 右腕
- 異界図書館
- 黄昏の行進
- 隧道を行く
- アンダーコンストラクション
- 過ぎ去った時間
- 悪魔ではなく
- 水面は揺れる
- 魔女ふたたび
- 祈らぬ者
- 列車にて
- ハロウィンの夜
- 探査機Xの消失
- 少女の足跡
- ある日の潜航事例
- Xの異界散歩
- 迷宮のアザラシ
- 花嫁に幸福を
- 時計と正しさ
- あるいは瞼を閉ざした話
- 名も無き冒険の話
- ペンギン・デリバラー
- 始まりの更に手前の市場
- 本屋と誰かの回顧録
- 夢に見るような
- 観測史上最大の危機
- 終わらぬ夜の観測者
- 神話の生まれた日
- 欲望と無欲の天秤
- 剣にまつわるエトセトラ
- 罪人たちの一夜
- とある魔女の寛容
- その味を知らない
- 小さな森への潜航
- ものは物語ることなく
- 折ると祈るは似ている
- 終点にしてはじまり
- 音色ふる
- 沈黙の秘湯
- デフラグメンテーション
- 糸と自動化
- 書を焼くものは