幸福偏執雑記帳

あざらしこと青波零也のメモ的なものです。

2021年6月27日(時系列順)3件]

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三方行成『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』読了。
トランスヒューマンガンマ線バースト童話集ってなに? って思って読んだけど、トランスヒューマンガンマ線バースト童話集だったな……。
とても面白かったのだけど、面白さの全体像をつかめるほどあざらしにSFの知識がないのが悔やまれるな~。解説読む限り、SFのお約束的なものを知ってれば知ってるほど面白いんではなかろうかと思うので。
でも、何も知らなくても十二分に面白かったなあ……。トランスヒューマンとなってもひとはひとであり、そこにいるのがひとだからこそ、物語があるという感じで。
自分は「竹取戦記」と「モンティ・ホールころりん」が好きだな……と思うのですが、やっぱり通しで読むことで全容が明らかになってくるというか、「トランスヒューマンガンマ線バースト」ということがこう繋がってくるのだなあ……という感覚を味わえるのがよかったなあ~と思う!
それはそれとして、何故か「アリとキリギリス」のラストから解説にかけてぼろぼろ泣いてたんだけど、なんか……そう、文章から祝福の意志を感じて……。あざらしの涙腺の弱いところよくわからんな!!畳む
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lasah『"I LOVE YOU,"』
https://open.spotify.com/album/1PazHlCOP...


声がね~好き! です!
ふわっとする感覚がとてもいいなあ~と思う……。
このへんCD持ってないから聞けてよかったなあ~ありがとうSpotify~!!
#[作業BGM]
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『カリギュラ』(2019)
作:アルベール・カミュ
翻訳:岩切正一郎
演出:栗山民也

初見感想は >>600

最初に「悲しみは永遠ではない」って話してるのがさ~。
世界はありのままで十分とは思えない。十分ではない、そのままでは耐えがたい。
でも、カリギュラがそう感じた端緒ってやっぱり「悲しみ」なんじゃないかなという……。
永遠でないものが耐えられない、というのもあったんじゃないかな~。
「苦悩も長続きしない、意味を奪われている」という最終局面のカリギュラの台詞からも、そう感じるのだよな。

カリギュラのあり方って、人というものを理解した上での狂気というか。
「わかっててそうしている」がベースだというのがやっぱり私の感じ方なんだよなあ。
カリギュラ自身が己の肉体(実体?)を持って知っていること。

ケレアは最初から「ありのままのあの人を見ろ」と言っているんだよなあ。
十分に気が狂っていない。自分の望みを知っている。
人間と世界を否定するに至っている。
そんなカリギュラが最後に「たった一人になる日」を待つのがケレアの戦略で。
一度見終わった後にここを見ると、まさしくその日がやってくるのだな、と……。

エリコンがシピオンに「お前さんならカリギュラを殺せる」っていうのもな~。
カリギュラは(遥か大きなものに)反逆する者であるがゆえに反逆を許容するんだなあ。

神々と肩を並べる方法は神々と同じだけ残酷になること、かあ……。
ただどこまでもカリギュラは神の真似をするだけで、本当に神になれるわけではない。
神の不可能性はカリギュラの手に入るわけではない。月は手に入らない。
人間に対しては暴君という名の神になれるけれど、カリギュラが望んだものになれているのか?
月はどうしたってカリギュラの手から零れ落ちていくのだなあ。

エリコンは最後までカリギュラの味方なわけだけれども。
愛する、ということについて考えずにはいられないな……。
セゾニアもまた「愛する」ことについてケレアに問いかけるわけだけれども。
そしてシピオンもまた最後に「愛しました」とカリギュラに告げる。
愛……。愛かぁ……。
そうだな、みな「人間」であるカリギュラを愛していたのだろう。
カリギュラはそうして、愛すると言った者をひとつひとつ失っていく。
それが、カリギュラの本当の破滅のときなのだということを考える。

カリギュラの幸福。それは孤独なんだなぁ。孤独。
それは間違いなく破滅なんだけど、カリギュラにとっての完成と考えられた何か、とも思うかな……。
自分の、人間たる部分を切り離す手続きというか。
でもその一方で「終わるのが怖い」ともいうのだなあ。

最後のシーンやっぱり好きだなあ。暗く閉ざされてた空間が開ける瞬間。
でもその瞬間にカリギュラは死ぬわけなんだけれども。
「俺はまだ生きている」っていうのがどういう言葉なのかまだ噛み砕けてないな……。
でも最後の最後まで目を閉じない在り方がね……。カリギュラ……。畳む

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シアワセモノマニアのあざらしこと青波零也の創作メモだったり、日々のどうでもいいつぶやきだったり、投稿サイトに載せるまでもない番外編だったり、見聞きしたものの感想メモだったり。

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