鏑木 健太/『庭師は何を口遊む』HO1・ネタバレ含設定CoC6版『庭師は何を口遊む』のネタバレを含みます。続きを読むSTR:9/CON:10/POW:18/DEX:9/APP:17/SIZ:16/INT:11/EDU:1840歳、男性。1月16日生まれの山羊座。警視庁特殊犯罪捜査零課、現チーフ。他のメンバーと違い目立って突出した能力はないが、「堂々と立ってるだけなら得意だぜ」と豪語し、自分以外のメンバーができる限り自由に動けるよう、裏方として面倒ごとや様々な手続き、各所との繋ぎを一手に引き受けるタイプのリーダー。公言はしないが、的場の「後釜」としてその座に収まったという意識があり、的場ほど上手くはやれない、という劣等感を内心に抱いていた。しかし、自分ひとりでは上手くやれない分メンバーの能力と人格を心から信頼しており、メンバーのために「チーフ」として胸を張ってみせ、いざとなればメンバーのために腹を切る覚悟を固めている。『庭師』を巡る一連の事件の終了後も、変わらず零課のチーフとして三人を率いて日々様々な事件に向き合っている。イメージカラーは銀、薄青。■外見・服装186cm、痩せ型。日本人離れした手足の長さ、すらりとしたスタイルを誇る。生まれつき肌の色が白く、白髪交じりのアッシュグレーの髪に、角度によっては銀にも見える灰色の瞳と、体つきも相まって異国の気配を漂わせている。また、顔立ちも極めて整っている部類で、黙って真顔で立ってさえいればクールで切れ者な印象を与える美男。視力が低く、アンダーリムの眼鏡は手放せない。車に乗るときなどのために度入りのサングラスも携行している。仕事の際に着ているシャツやベスト、スーツの上下、コート、人前では常につけている革手袋まで真っ黒なのが特徴。ただし、三年前の事件以前は他の色の服も着ており、当人なりに「喪に服している」ことを意味している。事件終了後、相模原の葬儀を終え、謹慎が明けたことで本人なりに何かが吹っ切れたらしく黒ずくめをやめるのだが、それはまた別のお話。全体的に色素が薄いため日向に出るときには日焼け止めと無骨な日傘が手放せないのだが、黒ずくめで黒の日傘を差してる色素の薄い綺麗な顔の男、かなり吸血鬼然としている。冬場はキャメルの長いマフラーを身に着けている。これは相模原から誕生日プレゼントにもらったもの。また、服に隠れて見えないが、チェーンに二つの指輪を通して首から下げている。ついぞ相模原に渡すことのできなかったそれをどうするかは、まだ考えていない。■人となり一人称は「俺」。東京下町訛りが混ざったラフな喋りが基本だが、仕事の話をするときは言葉を選びながらきっちり喋る。目上には雑な丁寧口調。努力はしているが正しい敬語を使うのは苦手。口と態度が悪く、外向きには「取っつきづらい」「恐い」「上から目線」という印象を与えるが、本人が身内と認めた相手には親しみやすい本性を見せる。本来の精神年齢は小学生並みで、お調子者のきらいがある。よく零課の執務室に執務と無関係のガジェットを持ち込んでは鏡さんに怒られている模様。零課の執務室には、鏑木に向けた「焼肉禁止」「スルメ炙り禁止」の張り紙がある。身内に全幅の信頼を抱き、己の掲げた理想のために愚直に邁進できる、クールな見た目に反した前向きな熱血漢。とはいえ警察官としての歴も長いだけに「理想」は「理想」でしかないことはよくよく理解しており、現実との折り合いをつけられないほどの直情径行ではない。メンバーをはじめ、「きちんと話をする気のあるやつ」の話はきちんと聞いたうえで、寛容に振る舞う。何ならあの猪狩にすら鷹揚な態度を見せるため、メンバーからは「チーフは猪狩に甘いのでは?」疑惑が生じた。そうかも。ともあれ、できる限り相手の言葉を尊重しようとする姿勢があるため、PL一同から「全肯定チーフ」と称されていた。やや悪口っぽい響きなのも含めて大好き。また、喋る時には「情報」と「与えられた情報で推測できること」と「自分の感想」を明確に切り分けるように訓練しており、そのため前者二つをしゃべってるときだけ妙に理性的に見える。感想が入ると急に小学生になる。人前では堂々と振る舞ってみせるためプライドの高い鼻持ちならない奴、という印象を与えがちだが、これは意識的にそう見せているだけで、本人は身内のために頭を下げることは全く苦でない。ただ、「下げる頭は高い方がいざって時に効果的だからな」とのこと。PC1なのでPOWが高く「精神力が強い」とされるものの、後述のトラウマからくる恐怖症を抱えているなど、決して言葉通りに「強い」わけではない。ただ、恐怖を押し殺し、逆境でも胸を張ることをやめず、ひとたび折れてもただでは折れない、という「我慢」と「虚勢」の方向性のひと。「耐えられてしまうから耐えるのが当然」になっているきらいはあり、あんまりいい傾向ではないので少しずつ矯正できるといいね。■能力身体能力は警察官としてはやや低い方に属する(STR/CON/DEXがぱっとしない)。思考能力も高いとはいえない(INTやや低め)。ただ、「思考の瞬発力が低い」半面、考える時間を与えられさえすれば、物事を筋道立てて考えたり、情報をまとめて提示することは得意な方。また、メンバーの中でも警察官としての経験を積んでいるため、事件に直面した際に、経験則から来る勘の鋭さを発揮することはある。と、言い訳をしつつ、実際のところはプレイヤーがリアルアイデアを振り回していた気もする。気のせいだよ。特技といえるほどに極めている能力としては心理学と精神分析。心理学はPC1秘匿特記でボーナスがあるためだが、設定上は子供のころから「人の顔色を窺う」能力が高く、警察に入ってからそれを己の長所として認め、改めて体系的に学んだ、としている。そのため学問的な心理学知識も豊富で、その辺りの話を振られると急に饒舌になる。なお、話を振られることはない。得意分野は犯罪心理学。精神分析も心理学を学んでいく過程で身につけたもの。相手から目を逸らさず、その異変を察知して声をかける力、程度のものと認識している。なお本編で発揮されることはなかった。よかった。とはいえ、鏑木をチーフたらしめているのはこれらの能力そのものよりも、そこにいる人を心から信頼し、前を向き続けるという根本的な姿勢な気はする。■弱点虐待のトラウマからくる接触恐怖症を患っている。あくまで「そういう性質」なので狂気としての恐怖症とはまた別で、ただ、人間に直接触れる・触れられることが困難。当人曰く「そこから肌の上や内側を這うようなヤな感覚がする」とのこと。この辺りは神童さんの尖端恐怖症に近く、己の精神力である程度耐えられるが、特に調子が悪い時はパニック発作に陥るため、人の多い場所・接触が避けられない場所は可能な限り避ける。ただ、この恐怖症は「自分を性的な対象と見ていない」と鏑木が信じられる相手に対しては緩和される。少なくとも零課の面々、(本編開始時の)的場に対しては触れられても過剰な拒絶反応を示さない。また、当人曰くの「ぬるくて血が通ってるもの」は人間ほどではないが苦手。つまり愛玩動物であろうとも避ける(見るのは好き)。なお、「ぬるくて血が通ってるもの」ではないが、爬虫類や虫は気持ち悪いから苦手。実際の接触を伴わなくとも「性的な目で見られる」ことが極めて苦手なのだが、この見目なので相当苦労していた。少しでも「そういう」目的で近づいてきたと鏑木が判断した相手には苛烈に接する(この辺りの判別にも心理学が役に立つ)。また、三年前から精神的なものからくる味覚障害を患っているため、食べることがあまり得意ではない。なので知育菓子が好きなのは「味がわからなくても楽しい食べ物」だから、だったりする。ただ、この味覚障害は本編終了後からゆっくり回復傾向ではある。とはいえその前から少食気味で、人と一緒にいないと食事がおろそかになるのはそう。■来歴生まれは東京都内。卓の間に墨田区じゃないかって話になったのでそうなった。ありがとうアサツキさん。物心つく前に父親が蒸発し、母親に育てられた。育てられた、といっても元々ネグレクト気味であり、情緒不安定な母親の顔色を見ながらなんとか命をつなぐような有様であったが、中学生の辺りで虐待が苛烈したため限界を感じて家を飛び出した。寄る辺もなく、特定の相手とつるむこともなく(不良仲間の下に一時的に身を置くことはあったが長続きしない)、非行を繰り返す日々を送っていたが、とある警察官に補導され、事情を知ったその警察官が手を尽くしたことで保護された。調査の結果虐待の事実が認められ、家とは縁を切り、施設に身を寄せながら更生の道を歩んでいくことになった。高校卒業後にそのまま警察官の道に進んだため、学歴は高卒。周囲となかなかうまく折り合えず、様々な部署を転々としていたものの、零課の立ち上げにより的場の下につき、その後的場の後を継ぐ形でチーフに収まり、今に至る。非行少年時代に警察官に「見出してもらった」ことで更生できた、という経験から、鏑木の「警察官」像とは「道を踏み外しそうなもの、あるいは踏み外してしまったものの首根っこをひっ掴み、それ以上の悲劇を防ぐことができるもの」という認識で、理想論とはいえこの理想を持つものは一人でも多い方がいい、と思っている。なお、恩人である警察官とは現在も交流があり、時折飲みに行ったりしている。この経歴について本人は「俺は抜群に運が良かっただけで、そういう奴はごまんといる」「だから、今度は俺が、俺ほど運がよくない奴に手を伸ばせたらいい」と語っている。POW高い(=幸運が高い)からね。■秘匿:相模原涼との関係性弊陣の相模原涼は零課の中では最年少であったと設定している。小柄ながらパワフルで積極的な女性。鏑木が相模原と付き合い始めたのは零課に入ってから。なので「恋人」としての交際期間はそこまで長くない。それ以前、所属部署が異なっていたころから交流はあり、当時は部署間の折り合いの悪さも手伝って、お互いへの印象は最悪。実力は大したことないのに対外的にやたら尊大に振舞う鏑木と、その鏑木に全く物おじせず言いたいことを好き勝手言う才気に溢れる相模原、という関係性を想定している。ただ、当時から印象は悪いながらも鏑木は相模原を認めてはいて、また年齢や経験に差がある相模原を侮ることは全くしていなかった(これは相模原への好意とは無関係に、鏑木が「見た目や年齢で相手を判断しない」ことを己に課しているから)。何だかんだこの頃から内心「おもしれー女」って思っていたのだと思う。その後所属を同じくしたことで、当初こそ犬猿の様相を見せていたが、今まで見えてなかったよい部分を見出し、それぞれの考え方や信条への理解を深めたことで互いに明確な好意を抱くようになり、結果として交際に至った設定。(とはいえ、鏑木は前述の弱点特徴があるのでそこからも紆余曲折はありそう)零課においては、交際を秘匿していたためいっそ他のメンバーよりも仲は悪く見えていた気がする。特に鏑木は鏡さんとの距離が妙に近いので(これは単に適度に塩対応してくれる鏡さんに懐いてるだけ)、見えないところで相模原から足を踏まれていた可能性も高い。仕事休みに鏑木の車でデートに出かけたり、鏑木の部屋で穏やかに過ごしたりする関係。そのため、鏑木の部屋には相模原の私物がそこここにあり、今もなお片付けられておらず、相模原の喪失が心の傷となっている鏑木が家に帰ろうとしない要因になっていた。これら相模原の遺品に関しては、本編終了後に「焼肉のおごり」と引き換えに零課メンバーを呼んで一緒に片付けようとしている。自分一人ではやっぱり触れづらいので。あと相模原の話をきちんとしたいので。なお、相模原の死に関しては本編中に鏑木がそうしていたように、確かな心の傷であり、またそれを別の何かで埋め合わせる気は全くないが、一方でその死に囚われたままでいたくない、という思いが強い。『庭師』を執念深く追い続けたのは、「相模原涼の喪失を俺自身が認めるための戦い」であり、「相模原たちを殺し、俺ら零課をコケにした『庭師』に目にものみせてやらねば気が済まない」からであった。「死んだらそれで仕舞いだ。だから、『涼が事件の解決を望んでる』なんてこと、言えるはずもねえよ」「何もかも、何もかも。俺がごくごく個人的な感情で『決着』を望んでた、ってのは認める」「ただ、少なくとも『俺が知ってる涼』は、俺が弱音を吐こうものなら『女々しいこと言ってる暇あったら手を動かせハゲ』って情け容赦なく脛を蹴ってくるようなやつだった」「だから、振り返ることはあっても、立ち止まってるわけにはいかねえよ」■プレイヤー的なコンセプトの話・やったーーーーシナリオに許された未亡人だーーーー!!!!・アンナチュラルの中堂さんとMIU404の伊吹さんを悪魔合体してあざらしの手癖を加えたら、結果的に対消滅してあざらしの手癖しか残らなかったことがよくわかります。アンナチュラルとMIU404はいいぞ。ラストマイルもよかったね……。・「未亡人」ということは喪失の痛みを抱えた人であり、それ以前にきちんと「人を愛する・愛されることを知ってる」人でもあるということなので(これは秘匿にも書いてあったし……)、ストレートなあざらし的愛の人です。・ただ、そこで「人と愛し合うのが困難な特徴を持ちながら、それでもひとりの人を愛して結ばれていた」の文脈をやりたがるのがあざらしなんだよな(頬杖)。・鏑木は灰色~銀色の目をしてますが、デザインコンセプトの一つに「銀の弾丸」(解決が困難な諸問題を一撃で解決するような万能な解決策、の意味だけどここでは本来の「霊力で魔を撃ち抜くもの」程度のつもり)があり、文脈として完全にそれを貫いてて「わあ」ってなってました。そこでクリティカルするぅ?・名前の「鏑木」も、CoC命名用ネームプールから取ってきたものではありますが、「鏑」の字からくる「鏑矢」のイメージを意識してます。鏑矢って「矢」ではあるけど、相手を害するものではなく、「はじまりを告げるもの」「邪を祓う音色」なんですよね。・長い夜から夜明けに向けて歩んでいく人にしたかったので、煌めく星の銀色と夜明けの薄青がイメージカラーです。・タロットカードの「教皇」あるいは「星」のイメージです。これは後で他のPCの話と一緒に別にまとめるので詳細はそちらに書きますが、「皇帝」ではない辺りがあざらしのチーフ像……って感じです。畳むふせったーの写しなのであとで修正はしたい。#TRPG#[TRPGネタバレ] 2024.10.23(Wed) 10:52:53 遊び edit
CoC6版『庭師は何を口遊む』のネタバレを含みます。
STR:9/CON:10/POW:18/DEX:9/APP:17/SIZ:16/INT:11/EDU:18
40歳、男性。1月16日生まれの山羊座。
警視庁特殊犯罪捜査零課、現チーフ。
他のメンバーと違い目立って突出した能力はないが、「堂々と立ってるだけなら得意だぜ」と豪語し、自分以外のメンバーができる限り自由に動けるよう、裏方として面倒ごとや様々な手続き、各所との繋ぎを一手に引き受けるタイプのリーダー。
公言はしないが、的場の「後釜」としてその座に収まったという意識があり、的場ほど上手くはやれない、という劣等感を内心に抱いていた。
しかし、自分ひとりでは上手くやれない分メンバーの能力と人格を心から信頼しており、メンバーのために「チーフ」として胸を張ってみせ、いざとなればメンバーのために腹を切る覚悟を固めている。
『庭師』を巡る一連の事件の終了後も、変わらず零課のチーフとして三人を率いて日々様々な事件に向き合っている。
イメージカラーは銀、薄青。
■外見・服装
186cm、痩せ型。
日本人離れした手足の長さ、すらりとしたスタイルを誇る。
生まれつき肌の色が白く、白髪交じりのアッシュグレーの髪に、角度によっては銀にも見える灰色の瞳と、体つきも相まって異国の気配を漂わせている。
また、顔立ちも極めて整っている部類で、黙って真顔で立ってさえいればクールで切れ者な印象を与える美男。
視力が低く、アンダーリムの眼鏡は手放せない。車に乗るときなどのために度入りのサングラスも携行している。
仕事の際に着ているシャツやベスト、スーツの上下、コート、人前では常につけている革手袋まで真っ黒なのが特徴。
ただし、三年前の事件以前は他の色の服も着ており、当人なりに「喪に服している」ことを意味している。
事件終了後、相模原の葬儀を終え、謹慎が明けたことで本人なりに何かが吹っ切れたらしく黒ずくめをやめるのだが、それはまた別のお話。
全体的に色素が薄いため日向に出るときには日焼け止めと無骨な日傘が手放せないのだが、黒ずくめで黒の日傘を差してる色素の薄い綺麗な顔の男、かなり吸血鬼然としている。
冬場はキャメルの長いマフラーを身に着けている。これは相模原から誕生日プレゼントにもらったもの。
また、服に隠れて見えないが、チェーンに二つの指輪を通して首から下げている。ついぞ相模原に渡すことのできなかったそれをどうするかは、まだ考えていない。
■人となり
一人称は「俺」。東京下町訛りが混ざったラフな喋りが基本だが、仕事の話をするときは言葉を選びながらきっちり喋る。目上には雑な丁寧口調。努力はしているが正しい敬語を使うのは苦手。
口と態度が悪く、外向きには「取っつきづらい」「恐い」「上から目線」という印象を与えるが、本人が身内と認めた相手には親しみやすい本性を見せる。本来の精神年齢は小学生並みで、お調子者のきらいがある。よく零課の執務室に執務と無関係のガジェットを持ち込んでは鏡さんに怒られている模様。零課の執務室には、鏑木に向けた「焼肉禁止」「スルメ炙り禁止」の張り紙がある。
身内に全幅の信頼を抱き、己の掲げた理想のために愚直に邁進できる、クールな見た目に反した前向きな熱血漢。
とはいえ警察官としての歴も長いだけに「理想」は「理想」でしかないことはよくよく理解しており、現実との折り合いをつけられないほどの直情径行ではない。
メンバーをはじめ、「きちんと話をする気のあるやつ」の話はきちんと聞いたうえで、寛容に振る舞う。何ならあの猪狩にすら鷹揚な態度を見せるため、メンバーからは「チーフは猪狩に甘いのでは?」疑惑が生じた。そうかも。ともあれ、できる限り相手の言葉を尊重しようとする姿勢があるため、PL一同から「全肯定チーフ」と称されていた。やや悪口っぽい響きなのも含めて大好き。
また、喋る時には「情報」と「与えられた情報で推測できること」と「自分の感想」を明確に切り分けるように訓練しており、そのため前者二つをしゃべってるときだけ妙に理性的に見える。感想が入ると急に小学生になる。
人前では堂々と振る舞ってみせるためプライドの高い鼻持ちならない奴、という印象を与えがちだが、これは意識的にそう見せているだけで、本人は身内のために頭を下げることは全く苦でない。ただ、「下げる頭は高い方がいざって時に効果的だからな」とのこと。
PC1なのでPOWが高く「精神力が強い」とされるものの、後述のトラウマからくる恐怖症を抱えているなど、決して言葉通りに「強い」わけではない。
ただ、恐怖を押し殺し、逆境でも胸を張ることをやめず、ひとたび折れてもただでは折れない、という「我慢」と「虚勢」の方向性のひと。「耐えられてしまうから耐えるのが当然」になっているきらいはあり、あんまりいい傾向ではないので少しずつ矯正できるといいね。
■能力
身体能力は警察官としてはやや低い方に属する(STR/CON/DEXがぱっとしない)。
思考能力も高いとはいえない(INTやや低め)。
ただ、「思考の瞬発力が低い」半面、考える時間を与えられさえすれば、物事を筋道立てて考えたり、情報をまとめて提示することは得意な方。また、メンバーの中でも警察官としての経験を積んでいるため、事件に直面した際に、経験則から来る勘の鋭さを発揮することはある。
と、言い訳をしつつ、実際のところはプレイヤーがリアルアイデアを振り回していた気もする。気のせいだよ。
特技といえるほどに極めている能力としては心理学と精神分析。
心理学はPC1秘匿特記でボーナスがあるためだが、設定上は子供のころから「人の顔色を窺う」能力が高く、警察に入ってからそれを己の長所として認め、改めて体系的に学んだ、としている。そのため学問的な心理学知識も豊富で、その辺りの話を振られると急に饒舌になる。なお、話を振られることはない。得意分野は犯罪心理学。
精神分析も心理学を学んでいく過程で身につけたもの。相手から目を逸らさず、その異変を察知して声をかける力、程度のものと認識している。なお本編で発揮されることはなかった。よかった。
とはいえ、鏑木をチーフたらしめているのはこれらの能力そのものよりも、そこにいる人を心から信頼し、前を向き続けるという根本的な姿勢な気はする。
■弱点
虐待のトラウマからくる接触恐怖症を患っている。あくまで「そういう性質」なので狂気としての恐怖症とはまた別で、ただ、人間に直接触れる・触れられることが困難。当人曰く「そこから肌の上や内側を這うようなヤな感覚がする」とのこと。
この辺りは神童さんの尖端恐怖症に近く、己の精神力である程度耐えられるが、特に調子が悪い時はパニック発作に陥るため、人の多い場所・接触が避けられない場所は可能な限り避ける。
ただ、この恐怖症は「自分を性的な対象と見ていない」と鏑木が信じられる相手に対しては緩和される。少なくとも零課の面々、(本編開始時の)的場に対しては触れられても過剰な拒絶反応を示さない。
また、当人曰くの「ぬるくて血が通ってるもの」は人間ほどではないが苦手。つまり愛玩動物であろうとも避ける(見るのは好き)。なお、「ぬるくて血が通ってるもの」ではないが、爬虫類や虫は気持ち悪いから苦手。
実際の接触を伴わなくとも「性的な目で見られる」ことが極めて苦手なのだが、この見目なので相当苦労していた。少しでも「そういう」目的で近づいてきたと鏑木が判断した相手には苛烈に接する(この辺りの判別にも心理学が役に立つ)。
また、三年前から精神的なものからくる味覚障害を患っているため、食べることがあまり得意ではない。なので知育菓子が好きなのは「味がわからなくても楽しい食べ物」だから、だったりする。ただ、この味覚障害は本編終了後からゆっくり回復傾向ではある。とはいえその前から少食気味で、人と一緒にいないと食事がおろそかになるのはそう。
■来歴
生まれは東京都内。卓の間に墨田区じゃないかって話になったのでそうなった。ありがとうアサツキさん。
物心つく前に父親が蒸発し、母親に育てられた。育てられた、といっても元々ネグレクト気味であり、情緒不安定な母親の顔色を見ながらなんとか命をつなぐような有様であったが、中学生の辺りで虐待が苛烈したため限界を感じて家を飛び出した。
寄る辺もなく、特定の相手とつるむこともなく(不良仲間の下に一時的に身を置くことはあったが長続きしない)、非行を繰り返す日々を送っていたが、とある警察官に補導され、事情を知ったその警察官が手を尽くしたことで保護された。調査の結果虐待の事実が認められ、家とは縁を切り、施設に身を寄せながら更生の道を歩んでいくことになった。
高校卒業後にそのまま警察官の道に進んだため、学歴は高卒。周囲となかなかうまく折り合えず、様々な部署を転々としていたものの、零課の立ち上げにより的場の下につき、その後的場の後を継ぐ形でチーフに収まり、今に至る。
非行少年時代に警察官に「見出してもらった」ことで更生できた、という経験から、鏑木の「警察官」像とは「道を踏み外しそうなもの、あるいは踏み外してしまったものの首根っこをひっ掴み、それ以上の悲劇を防ぐことができるもの」という認識で、理想論とはいえこの理想を持つものは一人でも多い方がいい、と思っている。
なお、恩人である警察官とは現在も交流があり、時折飲みに行ったりしている。
この経歴について本人は「俺は抜群に運が良かっただけで、そういう奴はごまんといる」「だから、今度は俺が、俺ほど運がよくない奴に手を伸ばせたらいい」と語っている。POW高い(=幸運が高い)からね。
■秘匿:相模原涼との関係性
弊陣の相模原涼は零課の中では最年少であったと設定している。小柄ながらパワフルで積極的な女性。
鏑木が相模原と付き合い始めたのは零課に入ってから。なので「恋人」としての交際期間はそこまで長くない。
それ以前、所属部署が異なっていたころから交流はあり、当時は部署間の折り合いの悪さも手伝って、お互いへの印象は最悪。実力は大したことないのに対外的にやたら尊大に振舞う鏑木と、その鏑木に全く物おじせず言いたいことを好き勝手言う才気に溢れる相模原、という関係性を想定している。
ただ、当時から印象は悪いながらも鏑木は相模原を認めてはいて、また年齢や経験に差がある相模原を侮ることは全くしていなかった(これは相模原への好意とは無関係に、鏑木が「見た目や年齢で相手を判断しない」ことを己に課しているから)。何だかんだこの頃から内心「おもしれー女」って思っていたのだと思う。
その後所属を同じくしたことで、当初こそ犬猿の様相を見せていたが、今まで見えてなかったよい部分を見出し、それぞれの考え方や信条への理解を深めたことで互いに明確な好意を抱くようになり、結果として交際に至った設定。
(とはいえ、鏑木は前述の弱点特徴があるのでそこからも紆余曲折はありそう)
零課においては、交際を秘匿していたためいっそ他のメンバーよりも仲は悪く見えていた気がする。特に鏑木は鏡さんとの距離が妙に近いので(これは単に適度に塩対応してくれる鏡さんに懐いてるだけ)、見えないところで相模原から足を踏まれていた可能性も高い。
仕事休みに鏑木の車でデートに出かけたり、鏑木の部屋で穏やかに過ごしたりする関係。そのため、鏑木の部屋には相模原の私物がそこここにあり、今もなお片付けられておらず、相模原の喪失が心の傷となっている鏑木が家に帰ろうとしない要因になっていた。
これら相模原の遺品に関しては、本編終了後に「焼肉のおごり」と引き換えに零課メンバーを呼んで一緒に片付けようとしている。自分一人ではやっぱり触れづらいので。あと相模原の話をきちんとしたいので。
なお、相模原の死に関しては本編中に鏑木がそうしていたように、確かな心の傷であり、またそれを別の何かで埋め合わせる気は全くないが、一方でその死に囚われたままでいたくない、という思いが強い。『庭師』を執念深く追い続けたのは、「相模原涼の喪失を俺自身が認めるための戦い」であり、「相模原たちを殺し、俺ら零課をコケにした『庭師』に目にものみせてやらねば気が済まない」からであった。
「死んだらそれで仕舞いだ。だから、『涼が事件の解決を望んでる』なんてこと、言えるはずもねえよ」
「何もかも、何もかも。俺がごくごく個人的な感情で『決着』を望んでた、ってのは認める」
「ただ、少なくとも『俺が知ってる涼』は、俺が弱音を吐こうものなら『女々しいこと言ってる暇あったら手を動かせハゲ』って情け容赦なく脛を蹴ってくるようなやつだった」
「だから、振り返ることはあっても、立ち止まってるわけにはいかねえよ」
■プレイヤー的なコンセプトの話
・やったーーーーシナリオに許された未亡人だーーーー!!!!
・アンナチュラルの中堂さんとMIU404の伊吹さんを悪魔合体してあざらしの手癖を加えたら、結果的に対消滅してあざらしの手癖しか残らなかったことがよくわかります。アンナチュラルとMIU404はいいぞ。ラストマイルもよかったね……。
・「未亡人」ということは喪失の痛みを抱えた人であり、それ以前にきちんと「人を愛する・愛されることを知ってる」人でもあるということなので(これは秘匿にも書いてあったし……)、ストレートなあざらし的愛の人です。
・ただ、そこで「人と愛し合うのが困難な特徴を持ちながら、それでもひとりの人を愛して結ばれていた」の文脈をやりたがるのがあざらしなんだよな(頬杖)。
・鏑木は灰色~銀色の目をしてますが、デザインコンセプトの一つに「銀の弾丸」(解決が困難な諸問題を一撃で解決するような万能な解決策、の意味だけどここでは本来の「霊力で魔を撃ち抜くもの」程度のつもり)があり、文脈として完全にそれを貫いてて「わあ」ってなってました。そこでクリティカルするぅ?
・名前の「鏑木」も、CoC命名用ネームプールから取ってきたものではありますが、「鏑」の字からくる「鏑矢」のイメージを意識してます。鏑矢って「矢」ではあるけど、相手を害するものではなく、「はじまりを告げるもの」「邪を祓う音色」なんですよね。
・長い夜から夜明けに向けて歩んでいく人にしたかったので、煌めく星の銀色と夜明けの薄青がイメージカラーです。
・タロットカードの「教皇」あるいは「星」のイメージです。これは後で他のPCの話と一緒に別にまとめるので詳細はそちらに書きますが、「皇帝」ではない辺りがあざらしのチーフ像……って感じです。
畳む
ふせったーの写しなのであとで修正はしたい。
#TRPG
#[TRPGネタバレ]