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シアワセモノマニア
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ハッピーをお届けする空想娯楽物語屋

舞台16件]

演劇集団宇宙水槽『    』公演
『四月馬鹿達の宴』
原作:yn(西高科学部)
脚本・演出:宮田晃志

あなたの傍らに物語を。
NOWHEREにブランクを。

元々あざらしは原作ゲーム『四月馬鹿達の宴』に魂を焼かれた身なのでその辺りの思い出補正はありつつ。
これまでのあざらしのびたんびたんっぷりは >>1938 >>1969 辺りを見てほしい。

というわけで行ってきました、鹿児島市中央公民館! 素敵な建物~!
そして看板! わーい!!

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このイラスト本当にめちゃくちゃよく、このイラストを見た瞬間に「行かねば」ってなったんだよなあ……。

そして、一日目の夕方からの回を観て、そこからのバックステージツアーに参加してきたんですが。
もうね~~~~、やっぱり舞台っていいな! ってなる!
舞台という切り取られた空間の上に、世界を一つ作るということ、現実の人の体を借りて物語世界のひとたちをその空間に生かすということ。
元より『四月馬鹿達の宴』って「物語世界」を描くお話であり、いつだって人の傍らにある物語(この場合は「story」ではなく「narrative」)の話である、と思っているのだけど、それこそ今回の二次創作としての舞台というのはかつて語られた『四月馬鹿達の宴』という物語を再構成する行為であり、その再構成自体が最高にnarrativeだよな……って!
そのありさまをこの目に焼き付けることができただけでもとびっきりハッピーなわけだけど、中身も本当によかった。よくこの物語を語り直して三時間にまとめたなあ、ってのもそうだし、原作のあのちょっととぼけた味わいも、それとは裏腹な切実さも、ぎゅっと詰め込んで、遊び心も振りかけて。
ラストのバス停の一シーン、あれは原作にはないはずのシーンだけど、でも、「この舞台では」そう収束するのだということが、とても、とてもよかった……!
ちなみにあのバス停、さいはて町行きらしいっすよ。よすぎる。

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ピー子、テツロー、マナみのメイン三人、素敵だったな~~~~!
徹頭徹尾とぼけた掛け合いをしながら、時々どきりとするような言葉を投げかけてくる、という原作のその「手触り」を大事にした上で、舞台の上を生き生きと縦横無尽に駆けていく感じ、本当に嬉しかった! 最高~!
いつかまた、自分が彼らを忘れても、約束の通りに彼らはきっと会いに来てくれるだろう。ふと振り向けば、彼らは傍らにいて、冒険の旅をしているだろう。そう確信させてくれるだけの存在感があったと思う……。
あと個人的にゲームでテツローの固有技「走馬灯駆」をめっちゃ多用してたので、剣を受け取って走馬灯してくれたのめっちゃ嬉しかったな……w だって強いもんあれ……。

それから「あなた」。
原作ではプレイヤーの分身で多くを語らないやつ(でも結構ノリいいよね……)だけども、この解釈めっちゃよかったな~。
現実世界における会社員としての「あなた」と物語世界の「あなた」ってゲーム中でもビジュアルが異なってたはずで、それを演じ分けるというか、現実世界で少し抑制的で憂鬱さを纏った風でありながら、物語世界で「こえ」を失いながらも無邪気に振舞う感じがすごく……すごく、よくてねぇ……!
心の底からこの冒険の旅を楽しんでいるからこそ、「だからこそ」その選択をしていくのだ、ということが伝わってくるというか。
天使子ちゃんとの掛け合いと、オチも素敵だった。そうだよねえ、「あなた」もまた、かつて物語る者であったのだから……。
バックステージツアーでいいお写真いただきました。ありがとうございます!

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あとあざらしはやっぱりアマシロさんが好きなんですが、アマシロさんめっちゃよかったな~……。
確かにゲーム中でも最初はウェザフィールド探偵局の屋上にいるけどああいう登場の仕方あるぅ!?
こちらバックステージツアーで見せていただいたウェザフィールド探偵局(とアマシロさん役の方)になります。マジでこれに乗って出てくる。ウケる。

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ただ、その後に、NOWHERE/勇者シャハタプフとして現れるアマシロさんが、同じように、でも今度は「積み重ねられた本の上」に現れるのにぞくっとした。うーん上手いぜ。

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胡散臭くて胡乱なひと、であり、同時に「NOWHERE」として忘却を望む勇者であるということ、がじわっと効いてくるんだよなあ。
イトマキさんが「謎は謎のままであれば忘れられない」っていう旨の台詞を言っていたけれど、しかし忘却を望むアマシロさんは「探偵/謎を解くもの」のかたちをしており、テツローくんもアマシロさんの弟子であるのだな、ということを噛み締めてしまう。
謎を解かずにはいられない、けれど解かれた謎はもはや忘れ去られていく。
それでも、それでも。というメッセージというかね……。
それこそ「世界の謎そのすべてを解き明かすまで」旅は続くのだし、「続いていく」ということに希望があるのだよなぁ!
あとアマシロさん、衣装の左腕に房ついててかわいいね~って思ってたけど、勇者服でめっちゃ裾にしゃらしゃら房ついてて「そこから千切ったのん?」ってなった。(千切ったんじゃないよ)(ただそう、勇者シャハタプフとアマシロが地続きなんだってのを感じる衣装のつくりでぇ……)

マツリヤさんもほんとすごかった。
なんか、ゲーム中だと変なおじいさんだなあ、って感じなんだけど、それが生身で演じられると「いやっ本当に変で厄介なジジイだな!?!?!?!?」ってなるのめちゃくちゃ面白かった。ゲーム内のドット絵でイメージされているものと、実際に人間が演じているものの違いをパワーで突き付けられるよね。好きです。
パワーがあるからこそ、だからこそ、の悲哀というか……、その熱もまた「既に失われたもの」の残滓であるというか、己がやりきれなかったことを「あなた」へと託していく人なのだよなあ、というのを感じて胸がぎゅっと締め付けられる思いがするのである。
あのあたり、ゲームとは流れがかなり違ったと思うんだけど、あの演出は上手かったと思うな~~~~!

それから、そう、シルクちゃんね……。
劇中で謎めいたやり取りをしながら、最後の最後に「あなた」たちの前に立ちはだかってくるんだけれども。
あの、ラストバトルの感じが本当に良かったな……。
「あなた」とシルクちゃんは表裏であり、ただ、これまでの旅で導き出した答え、そこに物語があるということの「楽しみ」。
それはシルクちゃんの望む永遠ではないかもしれない、本当にひと時の夢かもしれない、それでも、「でも、いい夢だった」と言い切るためのお話なんだよなぁ~!
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ちなみにあざらしの回は空想塔がトラブルで出てこられなかったので、このお写真は後で見せてもらったもの。見たかったな~!
それにしても、最初と最後が「ああ」なのが本当に……本当にね……。素敵な幕切れだったと思うよ……。

脇を固めるひとたちも、その配置を含めて嬉しかったなぁ。
必ずしもゲームと同じではなく、でも「それでいい」のだよね、語り直しであり、この舞台の上での「役割」であるのだから。
回転する舞台で「あなた」が彼らともう一度出会っては別れていく演出すごかったなぁ……。
いつかは忘れ去られてしまうであろう、けれど、確かにそこにいた彼ら。
振り返ってみれば楽しかった、そう思わせてくれるだけの人々であったことよ。

きゃーーーーDr.チキンヘッド~~~~♡

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パンフレットも本当によかった~!
キャンプ中の四人の図がめっちゃかわいく(こちらはポスターの絵の方によるもの)、あと裏は作中のマップを描き起こしたものなんですが、こちらのマップを描いたのがどうやらシルクちゃん役の方らしく(衣装も基本はその方らしい)、すげーーーーとなる。
クリアファイルも買ったから、一緒に大事にとっとこ……。

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畳む


本当に舞台で見られてよかった。
この熱量を直接浴びることができてよかった。
鹿児島まで飛んだかいがあったな~!
(あざらしは千葉の人間です)

舞台

舞台、演じること、なるものについてあざらしは結構思いを馳せずにはいられないのかもしれないなあ~。ということを、つらつらと思う。
人よりも舞台の演劇見てはいない(全く見てない人より見てる気はするが)のはあるんで見当違いかもしれないけど、でも、画面で見るそれとその場で見るそれにはやっぱり明らかな情報量の違いがあるよなあ、とかそういうの。
なんとなく、画面越しだと、それが実在の人によって演じられてるとしても明らかにこの世界と切り離されてると感じられるけど、演じられるその場に自分が居合わせることで舞台上の異世界と自分が立ってる場所がひととき地続きになるというか。
なんか、自分がいるその場所も含めて異世界につれてってもらえる感覚? といえばいいのか?
あと、カーテンコールの瞬間に、ふっと「こちら側」に引き上げられる感じがほんとにね~好きで~。登場人物が役者さんに戻るとともに見てる側も現実を認識する……感じ!
あのカーテンコールの手触り、もちろん映像でも感じはするんだけど、本当に生の舞台だとめちゃくちゃ顕著に味わえるというか。
あのカーテンコールの瞬間で夢から覚める、みたいな感覚を味わいたくて舞台見に行ってるとこもあるかも……。

四月馬鹿達の宴の舞台の情報を見るべく劇団のアカウントフォローしてるんだけど、こう、役者さんが登場人物を演じるということをめちゃくちゃ噛みしめてしまうのだよな。
今そのときだけは彼らがそこにいる、ということ。架空であるはずの彼らが質量を持った存在として舞台の上にひととき存在するということ……。
どんな話でももちろんそうなんだけど、やっぱり、描かれたもの、が人の形を得る・人の肉体を借りるということについて思いを馳せずにはいられないよ~!

創作,舞台

前々から気になってた『四月馬鹿達の宴』の演劇、ほんとにやるーーーー!!!

鹿児島で!!!!

あざらしが四月馬鹿達の宴のこと好きすぎることはご存じと思われますが~~~~( >>504 )。
あざらしは物語ること、そして家族の話に脆弱性がある。いいね?
そう、あの、マツリヤさんまわりの話に脆弱性がありまくるわけで……。その話をするかはわかんなくても、あれは、マツリヤさんから始まった話であるというのがね、ほんとにね ああああああ
(チケットをとり、バックヤードツアーの予約をし、ホテルと飛行機を確保しながら)



この絵がよすぎて無限に泣いてる。
これ、これさあ~~~~……。

興奮しすぎて寝れないので頭の中でぐるぐるしてることを吐き出そう。

あざらしには好きな、そして結構創作人生に食い込んできてるゲーム(これはゲーム種別問わず)が色々あって、四月馬鹿もそのひとつ。
ただ、たぶん、演じられるのが「四月馬鹿でなければ」ここまで全力で観に行かない気がする、という類でもあるんだよなあ~。

演劇、あざらしはちっちゃい規模の、それこそ玉石混交ともいえるものも観たりしてきたので余計に身に染みてるのだけど、これが「あざらしにとってよいと感じられるもの」かどうかは、観てみるまでわかんない、のだよね。
演劇は他の媒体よりもその傾向がめちゃくちゃ強い。何しろオープンにできる情報もめちゃくちゃ少ないので。
そして、仮に期待を裏切られたときのことを考えると、ちょっと勇気が出ない、し、元々原作至上主義のきらいもあるので、余計に二の足を踏む。

だけど、これは、『四月馬鹿達の宴』なんだよな。というのが、めちゃくちゃでっかくて。

話の構造的に、「描かれなかった、忘れ去られてゆく物語の続き」を巡るお話、であるのが、本当に大事で。
かつて一人の少年が手放してしまったお話に、誰かさんがピリオドを打つというか。
つまるところ、それ自体が「二次創作」というかなんというか、とにかく「加筆」なんだよね。書き始めた本人以外の誰かによる加筆。
その結末は、別の誰かが忘れ去られゆく物語を前に、筆を手にしたからそこにある、ということ。

なので、この劇が「非公式の二次創作(作者さんの許可はもちろん取ってる)」なのも全然許容できるというか、『四月馬鹿達の宴』というのは、たぶん、そこにいた「あなた」の数だけそこにある、そのかたちのひとつだ、ってことを、するっと飲み込めてしまう、そんな手触り。

自分が興味あるのは、そこで、それこそもうゲーム自体「公開されてない」ので、正規の形で結末を観ることができなくなっている『四月馬鹿達の宴』をどう描いて、どうピリオドを打つのか。
舞台の上で「あなた」が何をしようもするのか、それを、知りたくて知りたくて仕方なくて、観に行く。そんな感じ。
畳む

舞台

海をゆく者
https://stage.parco.jp/program/seafarer2...
作:コナー・マクファーソン
翻訳:小田島恒志
演出:栗山民也
出演:小日向文世 高橋克実 浅野和之 大谷亮介 平田満

クリスマスだったなあ……!!

昨日(12月9日)、見てきました。
ほとんど70歳(高橋さんだけちょい若いんだっけか)ということだったけど、思った以上にがんがん動き回る話だったね!?
もっと会話劇に寄ってるかと思ってたけどパフォーマンス部分で魅せる魅せる! おっさんたち無理すんな!! 舞台人やっぱすげー生命体だな……。
こう、舞台の上で真面目な話してる傍ら変な挙動してるやつがいたり、もう完全に舞台全体から目が離せない。すごい。
あのごちゃっとしたセットもよかったなあ~半地下というか、階段の上から明かりの差し込む感じよ……。
お話も、最初どう転がるのかと思ったら、こういう、こういう話か~!!! クリスマスであること!!
みんなろくでなしだし、どうしようもないやつなのかもしれないけど、リチャードが、シャーキーのことをどうしようもないと認めた上で「それでも生きてる。だから元気でいてくれ(うろ覚え)」ってのがすべてなんだろな、という……。
それは何もシャーキーに限ったことではなく、きっと、誰にとってもそう。
人生は続いていくのだ、ほんの少しの奇跡とともに、どうしようもなくても、なんであろうとも。
小日向さんのロックハートめちゃくちゃよかったな……あの紳士らしい振る舞いをしながらちょっとうすら暗い感じめちゃくちゃ上手いんだよな~! あと密造ウイスキー飲みながら悶絶してるのほんと笑った。やめればいいのにw
あと今回はリチャードが高橋さんなわけだったけど、前は吉田鋼太郎さんだったんだよね~? 吉田さんのリチャードどんなんだったんだろう、気になるな……。

なお一緒にいたマザーとあざらし。
マザー「みんなろくでなしながらもチャーミングだが、絶対にあんな兄貴も弟も家族にはほしくないな……」
ざらし「せやね」
マザー「でも、あの中だとアイヴァンとなら一緒に暮らせるかもしれん」
ざらし「わからなくもない」
メガネメガネ。
畳む

舞台

きむすば劇場旗揚げ公演『オムニバース』
https://www.f-ticket.com/post/%E3%81%8D%...
出演:木村昴、浅沼晋太郎
作・演出:小林賢太郎


あざらしが小林賢太郎さんのゆるいファンであることはここを見てる大概の方はご存じと思うのだが、実は配信チケットを買っていたのだった。

声優さんお二人による舞台。あざらし声優さんは全然詳しくないのだけど、それでもお名前くらいは知ってるな、というお二人。
何なら木村さんはむしろバラエティとかで見た顔だな……みたいな印象になっとる……w
どういう話なのか全く想像つかなかったのだけど、これ、完全にラーメンズのノリのコント集だ!? ってなってめちゃくちゃ嬉しくなっちゃった……。小林さんの味だ~!
話も二人の感じを生かした明るい感じの話がぎゅぎゅっと詰め合わせられてて、すごく安心して見られる舞台だったと思う。
声優さんらしくとにかく演技に安定感があり、「声優だからこそ」という感じの話もあって……。
この二人のために書かれた脚本なんだな~と思うとめちゃくちゃ嬉しい。
あざらしは一番最初の映画の吹き替えの話が一番好きかな~。冒頭から世界に引き込むのが上手すぎる。そしてオチが好き……。愛……。
あと舞台の感じもシンプルで、二人が着替えるところも全部見せたり、道具を出したりはけたりするのも自分たちでやるって辺り、すごく「らしい」なってなったな~。
ラーメンズのころからの味わいと、あとは「声優」というコンテンツならではの見せ方を合わせた感じであざらしはすごく好き。そういうコンセプトなんだな! というのが打ち出されているというか……。
幕間の素の二人の掛け合いも最高によかったな~年の差仲良しコンビ! いとしい!
そう、木村さん確かそれなりに若い方だよな、とは思ってたんだけど浅沼さんと十四歳差って聞いて「!?」ってなりました。そんなに違うようには全然見えなくて笑っちゃった。豚汁はドリンク。

久しぶりに肩の力抜いてげらげら笑いながら見れる舞台でよかったな~! 満足!!
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舞台

『フリムンシスターズ』(2020)
作・演出:松尾スズキ
音楽:渡邊崇

※2021年4月25日の記録

フリムンシスターズ | Bunkamura
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineu...


インプットをしよう~!!! という勢いで今日はミュージカル『フリムンシスターズ』(2020)を見ることになりました。いえいいえい!!

ストーリーは……これは……どう説明したらいいんでしょうか……。えっと、何かコンビニの幽霊って呼ばれてる女ちひろと、色々あって精神不安定になってしまっている女優みつ子と、その友人であるゲイのヒデヨシの三人を中心として、西新宿を舞台にして巻き起こる事件……みたいな感じですかね??? かね??? いいのかこれで???(見れば私の戸惑いの意味がわかると思います)

いやーーーー面白かった……!!! ちょいちょい挟まってくるネタにめちゃくちゃ笑ったんですけど背景は結構重くて、それぞれにそれぞれの物語があることをきちんと見せてるんですよね……。それらが複雑に絡み合いながら歌や踊りを交えながらがんがんものすごいパワーで話が進んでいくわけですよ。面白くないわけない……。

とにかくストーリーの組み立て方がめーちゃくちゃ上手い!! ちひろとみつ子とヒデヨシの三者を中心にしながら、それを取り巻く人たちの人間模様を描写して、最終的にはばらばらだったように見えた物語のピースが一点に収束していくというあの畳みかけるような展開にほれぼれしてしまうでありますね……。その上でそれぞれの問題を解決したり、ちょっとだけ解決しなかったり(ここも一つのうまさだなあと思う……)、何かを吹っ切ったりしながらエンディングまで駆け抜けていくこのスピード感よ……。

主役格の三人にはやっぱり常に目が行っていたのだけど、個人的にはコンビニ店長とその双子の弟がかなり印象に残っているなと思いましたね……。店長のどこか抜けた情けない感じの一方で弟の方がめちゃ怖いのすごいんだよな……。そして「後ろからズドン」、っていう言葉がリフレインし続ける構造とても上手いなぁと思ってしまう。店長にまつわる最後の最後のオチも含めてたまらないな~!

ついでにバスタオルおじさんの存在感はずるいと思う。ずるいよ……。畳む

舞台

『オンリーシルバーフィッシュ』 (2018)
作・演出:西田大輔

※2021年4月21日の記録

映画&舞台 『ONLY SILVER FISH | オンリーシルバーフィッシュ』
https://www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish...


古い洋館。屋敷に置かれた大きな水槽の中にはオンリーシルバーフィッシュと呼ばれる一匹の寂しい魚がいて、その魚の本当の名前を知る事ができれば、過去を振り返る事ができるという伝説がある。そんな洋館で和やかに始まるはずの結婚パーティだったが……、というお話なんですけど。

ストーリーラインがシリアスそうなのでちょっとどきどきしながら見たのですが、前半が思った以上にめちゃめちゃドタバタしてて爆笑してしまった……。なんだこれ なに??? っていうか一人で見なくてよかったなこれ……と真面目に思ってしまったんですがその上で後半があると考えてみると色々と思うところあるなぁ~。正直全部分かった状態でもう一度前半のドタバタ部を観たいかもしれない……。あの茶番が何のためにあったのかと思うと本当に……本当にさ……。

あと光の使い方がめちゃくちゃよかったですね。舞台の上にオンリーシルバーフィッシュが入っているとされる巨大な水槽があるんですけど、その水槽に反射する光が常に舞台の上で常に存在感を放っていて……。その他にも雨が降ってる窓とか、停電時の蝋燭のわずかな明かりとか、とにかく光を使った演出が……好き!

全部見終わった後の後味は結構ビターで私はそこが……好き……!! いや、本当に「振り返る」っていう言葉がそういう……そういうことか……ってなっちゃっておおん……おおん……これは好きだなぁ……。これは何と言うか、許されることではないと思うんだけど、そうせずにはいられなかった、ってことを考えちゃうとほんとね……。もう……。

あと知らない人の存在感ずるいんだよな! どこまでも不憫なんだけど知らない人なんだよな……。畳む

舞台

『うるう』
作・演出・出演:小林賢太郎

※2021年4月18日の記録

ネット上に~驚くほど~情報が~ない!!

『うるう』! これは見せてもらった作品ではなく珍しく青波が所有しているブルーレイディスク!! ただ買ったきり見てなかったのでこの機会に見ることにしました。いえいいえい。一応、舞台でも見たことあるんですけどね~。あらすじは思い出せたのですが、結構細かな内容は忘れていた! あと自分が見たの確か2016年版なのでもしかすると演出の細部が違うかもしれない……。

小林賢太郎さんの、実質最後となる舞台作品。2011年(2012年)から2020年まで、うるう年の時にだけ上演されていた一人芝居です。

ストーリーは、森の奥で一人暮らす男ヨイチと、そんなヨイチの元に現れた少年マジルが織りなすお話なのですが、このお話はヨイチ役の小林さんの~一人芝居! マジルくんの存在はあくまでヨイチたる小林さんの動きや台詞によって担保されるという仕組みなのがめちゃくちゃ好きなんですよね。ちょっとした所作でマジルくんの存在を「見せる」というのが本当に美しくてじっと見つめてしまうのですわ……

あと舞台上の演出もめちゃくちゃよい~のですね! 基本的に舞台上にあるもの自体は大きく変わらなくて、そこにライトで影を投影したりプロジェクションマッピングで表現したりすることで場面が移り変わるのを感じさせるのがとても……いい……。舞台上にいる人数が少ないだけに、空間の作り方がめちゃくちゃ効果的なんですよね! あれは実際に見てみてもらいたいなと思う……

細かく笑わせにきながら、それと知られないままに伏線を張っていくところがやっぱり小林さんの真骨頂よなという感じ……! 二度目だけどどこが伏線なのかわからないまま見てしまった……いい具合に忘れていましたね……。あと本当に言葉遊びが上手い。流石小林さん。あのリズム感で言葉遊びを入れられると聞き惚れてしまうやつですよ。

あとはやっぱりね……ラスト……ら ラスト……たまらん……私はあのラストが見たくて見ているところがあるよ……好き……!!!!! あの瞬間は何度見てもほろっとしてしまう……えんえん……。

うん、感想になってないな! でもやっぱり好きだなぁ~となりますね。この機会にもう一度見られてよかったです。おうちにあるので何度でも見られるぞやったー!畳む

舞台

『贋作 桜の森の満開の下』(2018)
作・演出:野田秀樹

※2021年4月18日の記録

贋作 桜の森の満開の下 | NODA・MAP 第22回公演
https://www.nodamap.com/sakuranomori/


インプットをしよう! という気持ちをもちもちと持て余しているあざらしですいかがおすごしでしょうか。というわけで今日は舞台『贋作 桜の森の満開の下』(2018)を観る機会を与えていただきました。ありがとうございます。

ストーリーは、匠の弟子である耳男が、死んだ師匠の代わりにヒダの王様のところに赴いて、同じく匠を殺して成り済ます盗賊のマナコと謎めいた匠のオオアマと共に、王様の娘である夜長姫の16の誕生日目掛けて弥勒像を彫ることになるのだが……というおはなし、だと……思う……(自信がない)。

演出がめちゃくちゃ面白い~!! 舞台の上を縦横無尽に走るピンク色のテープで画面のフレームを作って視線を区切ったり、屋根のイメージを浮かび上がらせたりと、その場面に合わせた世界を作り上げる感覚が……すごく美しいのですね……。これ、初見だけだとわからない部分もたくさんあるのだろうな~と思うのですよね! 何度も観たくなるなぁ~!

あと舞台上の桜の花が圧巻だったな~物語の最初と最後を、満開の桜が結び付けてくれるのを感じる……。美しいからこそ何か恐ろしさを覚えさせる桜の花というもの、何だかそれだけで胸がぎゅっとするものを感じてしまうでありますよね。

あと言葉遊びの多さに、一時も油断できる場面がないというか……! ちょこちょこ笑いでくすぐってくる場面もあるのですが、そうかと思えば言葉遊び自体がストーリーに食い込んできたりとかして……カニ……そして最後の最後に落とされる耳男の「まいった、まいった」の言葉に、夜長姫の声がリフレインして響くんですよね。こうやって、言葉を使うのか……と噛みしめてしまうんですよ。

正直お話の筋書きをきちんと理解できた感じはしなくて(特に後半からラストにかけての怒涛の展開についていけてないですね……!)、でもラストの、桜の木の下で夜長姫を殺した耳男の背後で、オオアマの行列と鬼の行列が交錯する場面とか、何だかこう……感覚で見るだけでも感じ入るものがありますね。

あとはやっぱり夜長姫の存在感がめちゃくちゃすごいなという感想につきますね……。少女でありながら鬼でもあるというか、その場にいてもいなくても物語を支配し続けているのは間違いなくこのひとなのだろうな、というのが舞台を通してわかる。あの声の使い分けもすごいんですよね……。すごく耳に残る声をしていて……。だからこそあの幕切れもほんと美しいんですね。果たしてそこにいた(そして消えてしまった)のは夜長姫だったのか鬼だったのか、そのどちらもであったのか。

正直なところ読み取れてない部分が多いので後で感想行脚行かないといけないな~と思ってはいるんですが、それはそれとして美しく、すさまじく、印象に残る舞台でありましたね……。畳む

舞台