元神様と放浪作家のイビツな関係

43:世界について

 意外と知られていない事実ですが。
 この世界には「世界に愛されている人」、と呼ばれる存在がいます。
 その人は、世界から何かしら不思議な力を与えられ、それを振るうことを許されています。
 ただし、愛されている人当人が望むような力どうかは、また別の話。
 
 例えば、ある人は世界に愛されているので瞬間移動ができます。
 ただし、基本的に自分の周囲半径十メートル以内が限度。
 普通に考えると、結構不便です。
 
「もっと便利だったらよかったのになあ」
「いや、十分便利に使ってるじゃねえか鍵も開けずに俺様の部屋に入ってきたりとか鍵も開けずに俺様の部屋に入ってきたりとか」
 
 まあ、世界が何を考えてそんな力を与えているのかは誰にもわからないのですが。
 ものは考えよう、ということなのでしょうか。