元神様と放浪作家のイビツな関係

05:「そして、目の前に広がっていたのは一面の花畑でした。」

 そして、目の前に広がっていたのは一面の花畑でした。
 
「わーい、綺麗なお花畑ー」
「やべえよ、こいつ花畑見てる!」
「あはははー、ねえ巽くん、向こうでダディが手を振ってるよー」
「お前のダディは死んでるよな、なあ、飛鳥!」
「すごいよ、巽くんもおいでよー」
「行きたくねえよ、ってか頼むからアパートの階段から足踏み外して転落死とかやめてくれよ、俺様どうやって静さんに説明しろってんだよ!」
 
 
 ある日、作家先生秋谷飛鳥が朝一番に救急車で待盾市中央病院に運ばれて、それがその日のニュース番組でほんの少しだけ報じられました。
 それを見て、元神様の大学生小林巽は、ああ、飛鳥ってそれなりには有名な作家先生だったんだなあと初めて実感しましたとさ。
 どっとはらい。