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幸福偏執雑記帳
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以降更新はindexで行います

No.601

『万獣こわい』(2014)
作:宮藤官九郎
演出:河原雅彦

※2021年4月12日の記録

万獣こわい | PARCO劇場
https://stage.parco.jp/web/play/manju/


インプットをしよう! という気持ちになり今度は舞台『万獣こわい』(2014)を観る機会を与えていただきました。ありがたいこと……。

ストーリーについて語りづらいな……えっと、監禁事件の被害者であるおんなのこと、彼女に関わったひとびとの、狂っていく歯車のおはなし。これ、元となっているのが現実の事件ということもあって多くを語りづらいというところはあるんですけど、とにかく演出がめちゃくちゃ……好きですね……。

ほんとめちゃくちゃブラックなおはなしなんですけど、ちょいちょい笑いでくすぐってくるのずるいわ……。ずるいよ……。どう考えたって笑っちゃうじゃんあんなの……。笑っちゃうからこそ、ぞっとするところとの落差がやばい。なんというか、暴力的なシーンもあるのだけど、それよりも各人の対話の中で静かにひたひたと迫ってくるような不穏の部分の方が自分は怖かったですね。こわいよ~。

それとわからぬまま人に意志を委ねてしまうということ、人を疑うということ、自己保身ということ、体裁ということ……。なんというか、人の普段隠したい部分てんこもり! という感じなんですけどそれを上手く飲み込めるように配置しちゃうのがずるい。そう、何と言うか、食傷しないぎりぎりのラインを全力で突っ走っている感じがすごいんですよね。それらを笑いのエッセンスを加えてすごくバランスよくお出しされてしまっているのでつい全部飲み込んでしまって、そして飲み込んでしまったもののブラックさを考えさせられてしまう感じの……おはなし!

何よりもオチ……オチがですね……。積み重ねてきた全てをここに持ってくるか……っていう気持ちになってもにゃ……と噛みしめてしまうであります。もちゃもちゃ……。終わらないし終われないお話なんだろうなというのを感じてしまう。

いやーーーーよいものを見せてもらいました。多分これ舞台じゃなかったらめちゃくちゃ嫌な感じの話として残ってしまったと思うけど、舞台らしいやり方で見せていただいたので自分はすごく好きな話になりましたね……。好きって言っていいかどうか……わかんないですけど!畳む

舞台