遊んでいる輪の中にいつの間にか加わっているその大人が何者なのか、子供たちは知らない。そして、特に知る必要もないと思っているに違いなかった。
彼らにとって重要なのは、その二人組が、今流行りのカードゲームの達人であるということだ。
カードゲームは戦争を模したものであるが、子供たちの間で俄然人気なのはその中でも希少であり強力な『
そして、その男たちも一枚ずつ『翅翼艇』のカードを持っていた。
大柄な男は青の『
小柄な男は黄の『
子供たちの中ではゲームに勝った者が負けた者からカードを奪うものであるが、男たちは流石に子供たちからカードを巻き上げることはしなかった。ただし、決して負けはしないのだ。子供たちと持っているカードの種類それ自体は、さほど異なるものでもないというのに。
子供相手に手加減もせずに大人気ない、と思われるかもしれないが、その「大人気なさ」が子供たちに受けたのも間違いなかった。子供たちは真剣勝負を望んでいたから。
こうして、場違いに思える男二人は今日も子供たちの間でカードゲームに興じている。それが――まさしく『