ロンリームーン・ロンリーガール
欠けた記録
実際には記録は残されていない。
しかし『月』は見ていた。
笑顔で肩を組み、崩れ行く鋼の城を捨て、白い大地に飛び出していく、「彼ら」の姿を。
『またね』
声にならない声で小さく呟いて。
『月』の「記憶」はそこで途絶える。