幸福偏執書庫

シアワセモノマニア(青波零也)の小説アーカイブ

アイレクスの走馬灯/はじまりの記憶
 眼部損傷、視覚遮断。ざあざあ、波のような音がする。波。僕は海を知らない。音声認識能力の低下。海が見たい。記憶のロード。失敗。一部欠落。フラグメントは赤い花びら。赤。君の瞳の色。僕の、瞳の色。
 
 そう言って笑った君を、今なら、思い出せる――
 
 
 この記録は、記憶だ。
 君と出会った僕の、
 最初で最後の旅の記憶。

by admin. <180文字> 編集