【一〇八〇年 実の月 一日】
ブルーです。本日から、航空部日誌を再開したいと思います。
現在の航空部は部員が二人、しかも部長が最高学位(ただし留年確定)という状況なので、まずは部員の獲得が急務であると思われます。
とりあえず、この秋期入学式が航空部存続をかけた最後のチャンスだと思って、頑張って勧誘しましょう。
部室の掃除はしっかりする、掃除をしたらその状態を維持する、きちんと活動しているのだという態度を見せる。この辺は最低限守るべき一線だと思うのですが……正直、部長の人格からするにこれが守れるか大概怪しいと踏んでいます。
――『ブルー』セイル・カーティス
いきなり人聞きの悪いこと書くなよ、ブルー!
これ、後で新入生に見られたら俺の人格全体的に疑われる気しかしないぞ。
とにかく、ブルーの意見には全面的に賛成なので、努力はしようと思う。
その他に、大掃除ついでに今までしまっておいた先代とか先々代の記録とか、写真を展示するのはどうだろう。流石にあれは捨ててないよな?
前回はどたばたしちまったから、ろくに新入生向けの活動も出来なかったけど、今回は大々的にやろうと思っている。協力してくれると嬉しい。
それじゃ、実技披露会行ってきます。
――『空部』セイル・ブリーガル
部長が真面目なこと書いてる!
言われなくとも協力しますよ。頼りにしてます、部長。
――『ブルー』セイル・カーティス
(リベル上級学校航空部日誌 三冊目冒頭)
机上の空、論。